地域活性化に資する交通連携事例集

はじめに

 わが国の経済は海外貿易に大きく依存し、これまでは主に、原材料・消費物資を輸入し、国内で加工・組み立て、流通、販売および輸出する過程で付加価値の多くを産出してきました。近年の激しい国際競争の時代にあって、諸外国で生産された様々な付加価値の高い製品が輸入されるなど、経済・産業構造にも様々な変化が生じ、さらに今後も見込まれます。今後の地域活性化には、このような経済・産業構造の変化にも確実に対応できる足腰の強い地域をつくっていく取り組みが必要です。
 交通の面では、製造業その他サービス業の立地ポテンシャルが高い地域の条件として、物流サービス機能が集積し、製品等を短時間で、安価に輸送するニーズに対応できる地域であることが重要であると考えられます。また、これらの物流サービスは環境的に持続可能である必要があります。
 荷主から送り先までの物流サービスを改善していくためには、これに関わる物流拠点、輸送経路、輸送手段、運用制度等の改善をそれぞれ個別に取り組むだけでは不十分であり、全体が連携し全体として効率的なサービスを提供するものでなければならず、交通連携の意義はこの点にあります。
 こうした点から、今後の地域経済活性化にあたって、物流交通連携による効率的な物流サービスを提供する意義は大きいといえます。
 本事例集は、物流交通連携の現状および問題・課題を踏まえ、先進的な取り組みとして以下の5事例を対象に事例調査を行い、その内容と効果についてとりまとめたものです。本事例集が、今後、各地で取り組まれる地域活性化、そのための物流効率化への取り組みにあたっての一助となれば幸甚です。

平成16年3月
国土交通省政策統括官
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対象事例の概要

博多港(福岡県)
 対中国貿易の拡大に対応して、国際高速RORO船と内航RORO船や鉄道コンテナ、貨物自動車など国内輸送機関の連携による国際一貫輸送システムを構築し、航空便の2〜5割の輸送費で、航空輸送に準じる高速輸送を実現した。これにより多様な輸送サービスメニューの中から荷主のニーズにあったサービスを選択することが可能になり、物流の効率化が図られている。
上海・博多間高速RORO船 博多・東京間RORO船 JR福岡貨物コンテナ駅

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清水港(静岡県)
 輸出産業の集積地である浜松地区への内陸コンテナ基地設置、大深度バース整備や24時間港湾の運営体制による清水港の機能強化、これら2拠点を強固に連結する自動車専用道路の整備により、清水港のコンテナ取扱個数が増加し、国際定期コンテナ航路の寄港も拡大している。
浜松内陸コンテナ基地 自動車専用道路を介して内陸コンテナ基地と清水港が直結される 清水港では水深15mの大深度バースを整備

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成田空港関連(千葉県等)
 成田空港の国際航空貨物取扱量は、開港から24年間で約8倍も増加し、年間194万トンとなった。こうした国際航空需要拡大に対応して空港内外の物流施設整備が旧ピッチで進むとともに、顧客ニーズに対応した陸上輸送や通関手続きの迅速化が図られている。
成田空港は1日平均5000トンの国際航空貨物を取り扱う 入港から引き取り許可までの所要時間が短縮され、生鮮食料品などの取り扱いも増加している 全国高速道路網へのアクセス整備や都市部の環状高速道路整備により国内輸送も迅速化している

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都市内・都市間物流
 物流コスト削減の要請の中で、環状高速道路の整備にあわせてインターチェンジ周辺への物流拠点の集約・再編やロットサイズの大型化が進んでいる。また地球温暖化対策として都市間輸送のモーダルシフトが求められており、鉄道、港湾、貨物ターミナルといった基盤整備とともに、運輸事業者による輸送サービスの開発が行われるなど、多くの関係主体の取り組みが展開している。
物流コスト削減を目指してインターチェンジ周辺などに物流拠点が集約・再編されている 物流施設でもロットサイズの大型化をはじめ、様々な物流効率化が取り組まれている 物流効率化とともに地球温暖化対策としてモーダルシフトが進んでいる

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リサイクルポート
 臨港地区内にリサイクル拠点を形成し、循環資源の広域的流動を促すために、低コストで環境負荷の小さい海上輸送を利用した静脈ネットワークが形成されようとしている。この拠点となるリサイクルポートではリサイクル資源を各地から多様な輸送手段で効率的に集め、リサイクル施設間の連携によりリサイクル資源の有効利用が図られている。
内航船、トラックによりリサイクル資源がリサイクルポートに集まる。写真は建設廃材 建設廃材のうちコンクリート、砂利は路盤材に、利用できない木片は燃料用チップに加工 木質廃材と廃プラスチックを粉砕、混合・加熱して、リサイクル資源を100%主原料とした再生建材に生まれ変わる

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表紙・目次・調査の目的
 目次等[PDF( 262KB)]
1.博多港〜国際高速RORO船と国内輸送機関の連携による国際一貫輸送での高速化
 概要 [PDF( 134KB)]
 詳細 [PDF(2,177KB)]
2. 清水港〜内陸コンテナ基地の活用によるコンテナ貨物の背後圏拡大と物流コスト削減
 概要 [PDF( 142KB)]
 詳細 [PDF(4,769KB)]
3. 成田空港関連〜成田空港と高速IC周辺への物流拠点配置と通関手続きにおける時間短縮
 概要 [PDF( 148KB)]
 詳細 [PDF(4,239KB)]
4. 都市内・都市間物流〜都市圏におけるIC周辺への物流拠点の集約・再編による物流効率化
 概要 [PDF( 138KB)]
 詳細 [PDF(1,891KB)]
5.リサイクルポート〜交通連携が支える臨港地区のリサイクル産業
 概要 [PDF( 195KB)]
 詳細 [PDF(3,734KB)]

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